Jan 11, 2011

Sakkuru 音威子府村 咲来


JR Sakkuru Station, JR Soya line
道北・音威子府村の中心部から約4.6km南に位置する咲来(さっくる)地区。1916年(大正5年)に音威子府村の前身である常磐村役場が設けられ、大正14年に音威子府へ役場が移転するまで常盤村の中心地だった。かつては冬山造材による木材の集積地として栄え、咲来峠を越える馬そりで大いに賑わったという。

現在は無人の待合室のみが建つ咲来駅だが、冬には待合室にストーブが灯る。かつては写真右側の建物付近に国鉄の官舎が建ち並んでいたらしい。


Signboard of JR Sakkuru Station
咲来地区は音威子府で2番目に大きな市街地を有しているため、同じ村内の無人駅である天塩川温泉駅や筬島駅と異なり、全ての普通列車が停車する。この駅から名寄の高校へ通う高校生もいるが、私が学生時代に宗谷本線を旅行した5~6年前と比べて、この駅で乗降する学生や若者は随分と減ってしまったようだ。かつてはある程度まとまった数の学生がこの駅で乗り降りしていたのだが・・・。


Rider House Sakkuru
咲来駅に降り立って最初に目につくのが、駅前に立地するライダーハウス咲来。つまりはかつての日本通運咲来営業所の建物で、私も学生時代に何度か宿泊したことがある。オーナーの方の温かいおもてなしと美味しい食事が印象的なライダーハウスで、それは言葉で言えないくらいに良い雰囲気だった。建物は建築されてから約100年近くが経過しているが、つくりはとてもしっかりしており、建物内には日通時代の名残が多く見受けられる。


Around JR Sakkuru Station
咲来駅のホームから眺めた咲来地区の風景。近年まで郵便局や小学校があり、課外活動の一環でカブトムシの採集を行っている小学生のグループを夜の咲来市街で見かけたこともあった。過疎化の進行は著しいが、周囲をなだらかで美しい山々に抱かれ、ゆるやかに天塩川が流れる雄大な風景は素晴らしいものがある。

晴れて空気が澄み渡った夜の星空の美しさは格別だ。市街地からでも十分に天の川が見えるし、市街地から少し離れると満天の星空が見渡せる。また、冬の天塩川河川敷は雪が深いが、一面の銀世界は魅力的だ。


Old Tokiwa agricultural cooperative Sakkuru Office
咲来市街のメインストリートに位置する旧常磐農業組合咲来営業所の建物。音威子府の過疎化を象徴する建物の一つであるが、つくりはしっかりしており、常盤村時代の名残を今に伝える貴重な建築物である。


Sakkuru main street
咲来市街を南北に貫く広々としたメインストリート。旧国道の名残で咲来大通とも呼ばれており、かつての賑わいを思い起こさせてくれる。



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Access : 宗谷本線咲来駅下車
Note : 咲来駅には全ての普通列車が停車するが、停車本数は少ない。音威子府市街から咲来市街を経由して天塩川温泉までの間を結ぶ地域バスが運行されているので、これを利用する方法もある。なお、咲来市街に商店や郵便局は存在しない。